『流星の絆』あらすじ
「大人になったら、三人で、犯人探して復讐しような」
幼い頃、両親を殺された洋食店「アリアケ」の三兄妹。14年後、大人になった彼らは結婚詐欺をして暮らしていた。最大のターゲットとして選んだのは、レストラン「とがみ亭」の御曹司。ところが、その名物料理は、懐かしい「アリアケ」と同じ味だった。
「これはお父さんのハヤシライスだ――」
何者かに両親を惨殺された三兄妹は、流れ星に仇討ちを誓う。14年後、互いのことだけを信じ、世間を敵視しながら生きる彼らの前に、犯人を突き止める最初で最後の機会が訪れる。三人で完璧に仕掛けたはずの復讐計画。その最大の誤算は、妹の恋心だった。涙があふれる衝撃の真相。
『流星の絆』感想
600ページを超えるにも関わらず、4〜5日ほどで読み終えた。読みやすく、次の展開が気になることもあり、ページをめくる手が止まらなかった。
両親を殺された三兄妹は、美しい妹を武器に、詐欺師として男たちから金を奪って生活を送る。自分たちの過去の境遇を考えれば、妥当である意味許される行いだと思っていた。いつも通り詐欺を進めていたある日、とある人物が、両親殺害の犯人ではないかと考えるようになる…。
兄妹は、事件の時効を目前に解決の糸口が見えないことに焦燥を感じる中、奔走する。懐かしいハヤシライスの味に14年も経ってから巡り合ったのはなぜなのか、どうしたら犯人を捕まえられるか、両親を狙った動機は何なのか。周囲の目を盗んで動く兄妹の今と未来に、ハラハラさせられっぱなし。