『ぼくはこんなふうに本を読んできた』(著:池上 彰)を読んだ。良かったので、紹介してみる。
『ぼくはこんなふうに本を読んできた』概要
『ぼくはこんなふうに本を読んできた』は、ジャーナリストである池上さんが、どのようにして「読む力」を培ってきたのか、そして本との付き合い方をどのようにしてきたのかを語る一冊。自身の読書遍歴をたどりながら、「本をどう選んだか」「本を読むことでどう変わるか」などのテーマに触れている。ニュース解説で知られる池上さんが、知識の土台をどのように作ってきたのかがわかる点が特徴。
『ぼくはこんなふうに本を読んできた』感想
本書は、池上さんがこれまでどのように本を読んできたかについて綴っている。この本を目にしたとき、タイトルからは本の読み方の指南書かなと思っていて、それは私が求めるものではなかったが、実際に読んでみると指南書ではなかった。これまでどう本を選び、どのようなきっかけを池上さんに与え、次のキャリアや人生につながったかが紹介されている。
これまで読んできた本が何冊か紹介されていて、一冊あたり10ページに満たない程度のページ数で紹介されている。紹介されている本に書かれている内容を、ざっくりとでも知ることができて良かった。
「読んでみたい」「気になる」と思っていた本がいくつか紹介されていた。例えば福沢 諭吉の『学問のすゝめ』、『旧約聖書 創世記』、『アンネの日記』。いずれも難しそうとか、読むのに気力がいると感じている。でも、池上さんの解説を読みながら、読む価値がありそうだなと感じた。
『旧約聖書 創世記』では「ノアの方舟」が紹介されていた。ちょうど最近「ノアの方舟」について知る機会が2度ほどあり、なんとなくは知っていたが、いまいち理解できていなかった。ノアの方舟は、ざっくり説明すると、こう。
「ノアの方舟」:旧約聖書『創世記』に登場する物語。神が人間の悪を見て地上を大洪水で滅ぼそうとした際、正しいノアとその家族だけは救おうと考え、神はノアにこう命じた。
「木で大きな箱舟(はこぶね)を作り、家族と動物たちをそこに入れなさい」
ノアは神の言葉に従って巨大な舟を作り、そこに自分の家族とあらゆる動物の「つがい」を乗せた。やがて大雨が40日40夜降り続け、地上のすべての生物が滅びるが、方舟に乗ったノアたちだけは助かった。
また小説をよく読む身としては、「大事なのは、すぐには役には立ちそうにもない本(p.82)」のひとつに小説が挙げられていたことが嬉しかった。小説は読んでいて楽しいが、たまに「読んで意味があるんだろうか?」と疑問に感じることもあった。けれど池上さんによれば、豊かな感受性を身につけられるらしい。しかも一朝一夕では身に付かず、長い目で見る必要がある、と。よーし、これからも感受性を身につけるために小説を読むぞ〜。