サスペンス小説といえば、この作者を挙げたい!誉田哲也さんの小説を読んで〜3作品〜

一時期、サスペンス小説にハマってよく読んでいた。中でも人の闇を描きつつ、どこか希望を抱けるような内容が好き。過去読んだ本の感想を見つけたので、あらすじと簡単なコメントと共にご紹介。

月光 / 誉田哲也

《あらすじ》同級生の運転するバイクに轢かれ、姉が死んだ。殺人を疑う妹の結花は同じ高校に入学し調査を始めるが、やがて残酷な真実に直面する。衝撃のR18ミステリー。
中央公論新書(https://www.chuko.co.jp/bunko/2013/04/205778.html

《感想》静かで淡々としていて、けれどとんでもない胸糞ストーリー。誰も救われない。明らかに胸糞なんだけど惹かれる文章で、一気に読み進めた。本作は私にとって初の誉田さん作品だったが、続けて彼の作品を4作読むほど。タイトルの「月光」は、ベートーヴェンのピアノソナタ「月光第一楽章」。この曲を聴きながら読むと、さらに話に没入できる。ちょっとというか、かなり大人な内容です。誉田さんの作品では(まだ4作品しか読んでいないけれど)一番好きだが、読む人を選びそう。苦しい話。

ソウルケイジ / 誉田哲也

《あらすじ》多摩川土手に放置された車両から、血塗れの左手首が発見された! 近くの工務店のガレージが血の海になっており、手首は工務店の主人のものと判明。死体なき殺人事件として捜査が開始された。遺体はどこに? なぜ手首だけが残されていたのか? 姫川玲子ら捜査一課の刑事たちが捜査を進める中、驚くべき事実が次々と浮かび上がる…。
光文社(https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334746681

《感想》こちらも苦しくて、途中からやりきれなさがすごかった。頼むから、誰か一人でも救われてほしい…。誉田さんの作品の中では『月光』と争うくらい好き。工務店の主人、そこで働く男の子、その恋人など、登場人物はみんな暗い部分を抱えているのに表には出さない。リアルでも小説でも、人のそういう”強さ”が好き。弱みを簡単に見せない人には魅力がある。

グロい描写は苦しかった。ちょうどご飯食べ終わったときに読んだので、少し気持ち悪くなった。同時に、文字だけでこれほどリアルに情景を浮かび上がらせることができるのはすごいとも思った。

もし本作(だけじゃなくて姫子シリーズ)を読むなら、第一弾「ストロベリーナイト」から読むと良いと思う。刑事・姫川玲子の過去がぼかされていて、もどかしくなったので。

ストロベリーナイト / 誉田哲也

《あらすじ》溜め池近くの植え込みから、ビニールシートに包まれた男の惨殺死体が発見された! 警視庁捜査一課の警部補・姫川玲子は、これが単独の殺人事件で終わらないことに気づく。捜査で浮上した謎の言葉「ストロベリーナイト」が意味するものは? クセ者揃いの刑事たちとともに悪戦苦闘の末、辿り着いたのは、あまりにも衝撃的な事実だった。
光文社(https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334744717

《感想》これもグロい。『ソウルケイジ』といい、「誉田さんの作品って必ず一冊に一箇所は飛ばしたくなるようなグロい描写があるのか!」と思ってしまうほど。けれど「ストロベリーナイトってなに? 気になる!」とページをめくる手が止まらないまま、一気に読了。ちなみに「ストロベリーナイト」の実態には、言葉のような甘さは全くありません。ドラマも観たことないって人は、新鮮な気持ちで楽しめると思う。

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