『アメリカン・スナイパー』あらすじ
戦場で160人以上を射殺し、米軍至上最強の兵士とされたクリス・カイルの半生を描いた作品。バーで出会った女性と結婚生活を送っていたある日、アメリカ同時多発テロの発生をテレビで知ります。そして自ら米海軍特殊部隊ネイビー・シールズへの入隊を志願。その後、合計4度イラクへ渡り、戦います。
並外れた狙撃能力で米軍至上最多とされる160人を射殺し、「レジェンド」と呼ばれるほど伝説的な存在になりました。そんな彼も、妻と2人の子どもの父親。家に帰れば良き父親として、戦場では最強の兵士として、家族と国を守るために奮闘しますが…。
『アメリカン・スナイパー』感想
9.11をきっかけに始まったイラク戦争と、その悲惨さを知ることができます。現実は何億倍も酷いのだろうけれど、残酷な出来事を少しでも知ることができる作品です。実在した兵士の半生を周りの仲間や家族とともに描くことで、兵士も一人の人間であると分からせてくれます。戦争に身も心も染められてしまうと痛感できます。観るには体力が少々必要だが、観て損はない映画です。
イラク戦争とは
イラク戦争は、2003年にアメリカを中心とした多国籍軍が、イラクに侵攻した軍事紛争で、2011年まで続きました。2003年当時のアメリカ政府は、イラクのサダム・フセイン政権が大量破壊兵器(化学兵器や生物兵器)を保有している疑いがあるとし、テロ組織と結びついている可能性も指摘しました。
2003年3月20日に多国籍軍はイラクの首都バグダッドへの空爆を開始。戦闘が本格化しました。わずか1ヶ月後の4月にはバグダッドが陥落し、サダム・フセイン政権が崩壊しました。その後、多国籍軍がイラクの治安維持や復興支援を続けますが、反政府ゲリラや宗派対立による内戦状態が長期間続きました。最終的にバラク・オバマ大統領の政策で、2011年末までにアメリカ軍の主要な戦闘部隊が撤退しました。
クリス・カイルについて(映画のネタバレを含みます)
クリス・カイル(Chris Kyle)は、アメリカ海軍の元ネイビーシールズ隊員で、イラク戦争におけるアメリカ軍最強の狙撃手として知られています。彼は1974年にテキサス州で生まれ、2001年にネイビーシールズに入隊しました。公式記録によると、160人以上の敵兵を狙撃で倒したとされ、その正確な射撃技術と冷静な判断力によって「レジェンド」と呼ばれ、仲間の命を数多く救ったと言われています。
退役後、カイルは自身の戦争体験や帰還後の苦悩を綴った自伝『アメリカンスナイパー』を出版し、大きな反響を呼びました。この本はのちに映画化され、アメリカ国内で大ヒットとなり、彼の存在はさらに広く知られることとなりました。
しかし、2013年、退役軍人の支援活動を行っていたカイルは、心の病を抱える元海兵隊員により銃撃され、命を落としてしまいます。