『ブルーに生まれついて』概要
実在した伝説的なジャズ・トランペット奏者チェット・ベイカー(Chet Baker)の半生を描いた伝記ドラマ。1960年代、薬物依存によってキャリアを失いかけたチェットは、暴漢に襲われて前歯を折り、トランペットを再び演奏することが難しくなる。
絶望の中、恋人ジェーンの支えを受け、リハビリと再起を目指すベイカーは、音楽への情熱と自己破壊的な衝動の間で揺れ動く。彼の過去の栄光と影を追いかけながら、再び音楽の舞台に戻ろうとする姿を描く本作は、ベイカーの孤独や脆さを繊細に映し出し、彼の音楽への愛と苦悩を中心に据えている。
主演は『ビフォア・サンライズ』や『いまを生きる』など数々の作品に出演しているイーサン・ホーク。
『ブルーに生まれついて』感想
チェット・ベイカーについての映画ということで惹かれて観た。星野源のエッセイ、たしか『働く男』で、このトランペット奏者が紹介されていて聴いてみると、哀愁漂うかすれた声と、途切れとぎれに聴こえるトランペットのサウンドが妙に良くて、1950年代に活躍したことも相まってか一瞬で好きになった。バーで流れていたら最高だろうなとも思った。地下か雑居ビルに入っているバーで。
本作ではどれほどストーリーが脚色されているか分からないけれど、音楽も楽しめる作品で、観ていて飽きなかった。退廃的な雰囲気もまた良かった。夜、お酒を飲みながらでも、観てみてほしい。