詩の美しさと人生について説く青春映画『いまを生きる』(1989年製作)

『いまを生きる』概要

『いまを生きる(原題:Dead Poets Society)は』1989年公開のアメリカ映画。1950年代、アメリカ・バーモント州にある名門の全寮制男子校「ウェルトン・アカデミー」に、新任の教師キーティング(ロビン・ウィリアムズ)が赴任。厳しい規律に縛られてきた生徒たちに、彼は型破りな方法で詩の美しさや「生」の素晴らしさを説く。彼は「Carpe Diem(今を生きろ)」という言葉を強調し、人生を最大限に楽しむことの大切さを教え、生徒たちの内なる情熱を目覚めさせる。

生徒の一人であるニール・ペリー(ロバート・ショーン・レナード)は父親の期待に縛られていたが、キーティングの影響を受けて演劇に情熱を抱くようになる。彼を含む数人の生徒たちは、「死せる詩人の会」という秘密の集まりを再開し、自由な自己表現を追求する。しかしその行動が、やがて厳しい学校と家庭環境と衝突する。自由への渇望と現実の間で揺れる若者たちの葛藤が描かれる。キーティング先生と生徒たちを通して、「人生」「生きること」を考えられる作品。

作中に出てくるラテン語の「Carpe Diem」は、意訳すると「いまを生きろ」となる。古代ローマの詩人ホラティウスの詩「Carpe diem, quam minimum credula postero」から取られたもの。映画の最後のシーンでは、アメリカの詩人ウォルト・ホイットマンがリンカーン大統領を讃えた詩から引用された「Oh Captain! My Captain!(ああ船長、わが船長よ)」が使用されている。本作で教師を演じたロビン・ウィリアムズは、アカデミー主演男優賞にノミネートされた。

『いまを生きる』感想

作中でキーティングが発するラテン語「Carpe Diem(カーペディエム)」は、英語で「Seaze the day」、日本語で「いまを掴め」という意味。原題の『Dead Poets Society』は、キーティングが母校である同校に在学中に結成した詩のサークルの名前。生徒たちは再び同会を復活させ、そこで語り合い、自分たちが進むべき道を自ら考え、自覚していく。最後のほうで生徒たちがテーブルの上に立ち上がるシーンは、名場面と言えるだろう。詩の美しさと生きる意味について深く考えさせられる映画。

こんな人に観てほしい

将来について考えはじめる学生さん、生きるとは何か考えることが増えた人に特におすすめだが、ハートウォーミングで考えさせられるストーリーなので、誰にでも観てほしい。