イタリア中部、アドリア海に面するペーザロという街から車でおよそ40分南西に進んだ場所に、ウルビーノ(Urbino)があります。イタリア・マルケ(Marche)州にある歴史ある小さな丘上都市で、1506年創立で今でも運営されている大学や、かの有名な画家ラファエロの生家があります。
先日、イタリア旅行をした際に、ウルビーノを訪れました。旧市街は非常に起伏が激しく、坂や階段が多いです。たまに車も通るのですが、通るたびに「転げ落ちないか…?」と心配になるほどの急勾配。街全体が世界遺産に登録されているそうですが、訪れたときには知りませんでした。しかし街を歩いていると、歴史ある趣が街全体から感じられ、世界遺産に登録されていることに納得です。
今回はそのウルビーノを、撮影した写真とともに振り返ってみます。
ドゥーカ広場
こちらは「ドゥーカ広場(Piazza Duca Federico)」。ウルビーノは、ルネサンス文化の中心地として知られています。そして、その象徴と言えるのが、写真に写っている「ドゥカーレ宮殿」。15世紀にフェデリコ・ダ・モンテフェルトロ公によって建設され、ルネッサンス建築の傑作と称されています。快適さと美しさを兼ね備えた、当時としては先進的な設計が特徴だそう。
ドゥカーレ宮殿は文化人たちが集まる場所でもあり、ウルビーノはこの宮殿を中心に、ルネッサンス思想が花開くこととなりました。
14〜16世紀のヨーロッパで広がった「再生」や「復興」を意味する文化運動。古代ギリシャ・ローマの芸術や哲学を理想とし、人間の理性や美、個性を重視する考え方が特徴。美術・建築・文学・科学などあらゆる分野に影響を与え、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロ、ラファエロなどの巨匠が活躍した。この時代には印刷技術や遠近法も発展し、現代のヨーロッパ文化の基盤となった。
急な坂道
街を歩いていると、写真奥に見えるような急な坂道がいくつもあります。私が訪れたのはイタリアで3連休の真ん中の日だったからか、観光客と思われる人が多かったです。ウルビーノは学生街なので、平日には学生がいるのでしょうね。違う雰囲気だと思うので、ぜひ平日にも訪れてみたいです。
マルケ州の美しい丘陵地帯を一望
ウルビーノは丘の上に築かれた都市のため、街からはマルケ州の美しい丘陵地帯を一望できます。イタリア国内では鉄道で移動していたのですが、ミラノなどの大都市を離れると、丘陵ではないものの、このようにのどかな景色が広がっていました。中でも写真のように、丘の上から眺める景色は最高。向こうに見える家々では、どのような生活をしているのか気になりました。
街の象徴的な建築物「ウルビーノ大聖堂」
ウルビーノの中でも高い場所にある「レジスタンス公園(Parco Della Resistenza)」からの景色が、最も美しいと思いました。写真中央に見えるのは「ウルビーノ大聖堂(Cattedrale di Urbino)」。大きなドームが印象的で、ウルビーノの街並みの中でも特に目立つ存在です。後ろには山が見えて、ルネサンス期の美しい建築と自然が調和した見事な風景ですね。
眼下に広がる美しいイタリアの丘陵風景
先ほどの写真と同じく、「レジスタンス公園」から撮影した写真です。見渡す限り、美しい丘陵風景が広がっています。意図的に撮ったものではないのですが、写っている家族がなんだかほほえましくて、お気に入りの一枚です。