根拠はないけど何か良いと思ったから、琴線に触れたから、取り入れる。そういう人でありたい。
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YouTubeに「McGuffin」というチャンネルがある。その中の「GOOD SHOP&HOMIES」というシリーズは、観ていて好奇心を刺激され、それでいて心地が良い。これは「東京の『地元に密着していたり』『まだまだ知られていない』『何やら面白いことをしている』素敵なお店を紹介する」企画らしい(YouTube公式アカウントでの説明より)。
「このシリーズで話している人たちの感性、好きだな」と思いながら観ていると、あることに気がついた。インタビューを受けている飲食店や服屋、雑貨屋のオーナーは、「なんか良いと思ったから取り入れたんすよね」的なことを話していると。
例えば、田原町のピザ屋さんに取り付けられたオープナーの話。店主がアメリカへ旅行したとき、ホテルのタンスに付けられたノブでボトルビールの栓を開けた思い出が元になっている。他にも、祐天寺の美容室には、受付よりも手前に待合スペースがある。これもオーナーの旅先での思い出から。彼らはその思い出を「その場の雰囲気や、ラフな感じが、何か良いと思ったんですよね」のように話していた。
仕事をしていると、「どれくらいの工数がかかり、どの程度の効果が見込めるか」を前提に進めることが往々にしてある。数字や根拠をもとに考えるのも大事なのは承知の上で、「感性に従って、何か良いと思ったからやってみました」くらいラフにやることも、ときに大事にしたら良いのにな、と思う。
ていうか、それくらい余裕を持ってラフに進められるのってカッコ良いじゃん。「これが良いと思ったから」と行動できる、自信を持って話せる経験があるのはカッコ良い。何でも数字数字となってしまうと、遊びがなくて、つまらない。
数字がすべてと思う人もいるのだろうけれど。私は、良いと思うその感覚で生きられる経験と感性を養いたい。